日本瓦からトミタルーフW型へ、屋根の耐震リフォーム事例
三鷹市T様邸
お客様との事前検討
今回のお客様は耐震リフォームのご相談が寄せられた際に、弊社から次の2つ点からご提案致しました。
- ◇案1:耐震屋根リフォーム・・・・・・・屋根を軽量化する方法
- 1995年の阪神・淡路大震災で倒壊、大破などの大きな被害を受けた建物のほとんどが1981年(昭和56年)に制定された新耐震基準以前に建てられた建物でした。築年数が古い住宅は葺き土のある瓦葺きが多く、非常に重い屋根でした。この重い屋根の重さを支えられない柱や柱の間に斜めにいれる筋交いという部材が入っていないため、多くの建物が地震による倒壊にあってしまいました。
施工主T様は、「日本瓦なので重い屋根では地震が来たら心配だ」「人の頭に瓦が落ちらたいへんだ」「とにかく屋根を軽くしたい」との強いご要望がありましたので、ファインスチールを加工した弊社トミタルーフをご提案し、ご説明当初から奥様には特に好評でした。
- ◇案2:耐震補強案・・・・・・・屋根の重さを支える力を補強する方法
- 重い屋根を支える耐震補強にもいろいろな方法がありますが、一般的には「壁の補強」「傷んだ構造材の交換」「耐震金物の取り付け」「基礎の補強」があります。
壁の補強には「筋交い」により地震の横揺れに耐える部材を設置したり、現在の弱い壁を耐震用の壁材と置き換えるといった方法があります。耐震金物の取り付けは土台と柱、基礎をしっかりと固定するもの。さらに傷んだ構造材の交換や、基礎の補強については、床や壁などの一部をはがしたり入れ替えたりするなど建物の状況により大きく費用が異なってきます。
T様の家屋は新耐震基準が制定された昭和56年以降に建てられた建物なので、耐震構造もしっかりしていました。このため最終的にはこの案は見送りとなりました。
耐震リフォームを目的とした屋根葺き替えリフォーム最終決断
今回の施主様は、「重い瓦では耐震性が心配なので、軽くて丈夫で経済的な屋根材を」という要望があり、そのご要望を最大限お聞きして、お客様と納得いくまで話し合い、屋根を軽量化する耐震屋根リフォーム案、つまり弊社製トミタルーフ(ファインスティールをお客様仕様に加工したもの)を採用していただきました。
【お客様T様の奥様の声】
私たち老夫婦の希望を営業の方がじっくりと聴いてくれました。またこのような耐震屋根のリフォームの知識の少ない私たちに親切にご説明していただき、安心してお任せすることができました。ファインスティールの屋根の音を最も心配しましたが、そんな心配も無く快適な住まいになりました。
ポイント
耐震リフォームを検討する第一ステップは?
1995年の阪神・淡路大震災で倒壊、大破などの大きな被害を受けた住宅のほとんどがこの新耐震基準以前に建てられた建物であったことから、この「1981年(昭和56年)」がひとつのキーワードになると考えて良いでしょう。今お住まいの住宅はいつ建てられましたか?
是非、確認してみてください。
耐震リフォーム工程
耐震性を向上させるために、重い日本瓦を撤去することから始め、軽い鉄板の弊社トミタルーフW型への葺き替えを実施するもので、概算工期1週間です。
❶ 施工前(足場設置)
◇工程1:約1日~2日◇
日本瓦撤去の場合 瓦の下に大量の土を含んでいますので足元が大変滑りやすくなっておりますので 作業員の転落防止・安全のために足場の設置をお願いしております。
❷ 瓦撤去
◇工程2:工程2.と3.で約1日~2日◇
屋根リフトという簡易機械を設置(この時普通の100V電源をお借りします。) し、1枚1枚はがした瓦を何枚か重ね、またホウキとチリトリにて集めた土はガラ袋に 詰めてから地上まで降ろします。
❸ コンパネ、下葺財(ルーフィング)の施工
◇工程3◇
前述 2.の作業と連動していますが、急に雨が降ってくると雨漏りしてしまいます。お天気と相談しながら作業を行います。
瓦撤去→コンパネ貼り→下葺き材(ルーフィング)を施工します。下葺き材(ルーフィング)を敷いた状態にしておけば急に雨が降って も雨漏りすることはありません。
ポイント
コンパネ貼り・・・雨漏りで腐食したり今までの屋根材で重みで変形している木 の下地の上にもう一度新しいコンパネ(木の板)を施工することによって屋根面の水平度 を直し、屋根材が葺き上がったときの仕上りに違いが出ます。
下葺き材(ルーフィング)・・・屋根を葺く場合は屋根仕上げ材より万が一雨水が 浸入した場合の保護用としてアスファルトを染み込ませた紙を下葺き材として必ず使用します。
❹ 断熱材トミタルーフ、雪止めの施工
◇工程4:約1日~2日◇
まず最初に屋根の端々に捨唐草という部材を取りつけます。屋根から落ちてくる雨水を切るためのもので、これがないと雨水が屋根の裏、壁に水が廻ってしまいます。
次に下葺き材(ルーフィング)の上に屋根温度上昇を抑えるため、今回は断熱材(オプション)を敷き、その上に屋根材本体のトミタルーフを軒先から葺いていきます。
軒先には雪が降ったときに雪を止めるため、雪止めというものを取り付けます。
(雪止めがないと屋根に降り積もった雪が解けるときにドサッっとまとめて落ちてくるので大変危険です。)
最後に屋根の一番高い所に雨仕舞いのために棟包みという部材と屋根内部の温度変化による結露を防ぐために換気棟という部材を取付けます。
❺ 完成
美しい横葺きのライン。屋根荷重も4.5t!(普通乗用車4台分)の軽量化に成功。
地震に強くきれいで環境にやさしい耐震屋根の完成です。工期7日間。